こんにちは。
しなやかボディトクリエイターの浅見美菜子です。
もうすぐ11月。
日に日に秋が深まり、朝晩の冷え込みが厳しくなっています。
寒くなると、肩こりや腰痛、膝痛のような身体の痛みがある人は、痛みが強くなると感じることはありませんか?
実際にクリニックでも、この季節になると
「何をしていても辛い。何もしなくてもズーンと痛みを感じる」
と深刻な痛みを訴える人が増えます。
今回は痛みが増しやすい季節の対策として、ストレッチをお勧めする理由と注意点についてお話します。
ストレッチがお勧めの理由
寒くなると自律神経の交感神経の働きが強くなり、身体を緊張させます。
身体が緊張状態のときは血管が収縮し、血流が末端まで流れにくくなります。
つまり血行不良の状態。
血行不良がつづくと、痛みを発している部分は重だるく感じたり、
また、寒さで身体全体が緊張状態にあると、痛みを感じやすくなります。
ストレッチは、こり固まった身体の筋肉をゆるめ、血行を良くする効果があります。
また身体が柔軟で動きやすいと、痛みを発している部分の負担を軽減できます。
痛ければ痛いほど効いている、の勘違い
ストレッチをするときに注意したいのが、
痛いのに我慢すること
「痛ければ痛いほど効果があるんですよね」
このような質問、実はとても多いです。
話は少しそれますが、同じパターンでマッサージ版もあります。
「痛い、でも効いている気がする」
・・・これ、大きな勘違いです。
効いているどころか逆効果になっています。
ストレッチのメカニズムは
ストレッチをして筋肉や周辺組織を引き伸ばす
→身体のセンサーが反応して、ゆるみ始める
→身体がリラックスし始め、さらにゆるむ(心地よい)
と、身体がリラックスすることが大きなポイントです。
身体がリラックスしているときは、自律神経の副交感神経の働きが強まり、
血流が良くなります。
するとさらに身体はゆるみます。
痛いのに我慢しているとき、身体は緊張していて、リラックスとは真逆の状態。
そこで、どんなに頑張っても身体はリラックスできません。
また、無理に引き伸ばそうとすると、身体のセンサーが反応し、さらに身体を緊張させて硬くして
身体を守ろうとします。
痛いのに頑張ることで起こる危険性
痛いのを我慢して引き伸ばすことや長時間、ストレッチを行うこと、
すなわち伸ばしすぎをオーバーストレッチングと言います。
オーバーストレッチングを直訳すると
ストレッチのやりすぎ
そのまんまですね。
オーバーストレッチングをすると
・ますます身体を硬くする(身体のセンサーの働き)
・筋繊維や周辺組織を痛めて炎症させたり、断裂させることもある
・炎症や断裂させた結果、さらに硬くなり伸びにくくなる
・筋繊維だけでなく、神経を傷つけてしまうこともある
などの危険性があります。
とくに伸びにくい裏腿(ハムストリングス←元々、伸びにくい)をオーバーストレッチングすると
筋繊維が断裂したり、神経を傷める可能性もあります。
その場合、治癒するまでに時間がかかります(神経を痛めた場合は、完治が難しいこともあります)。
効果的なストレッチのポイント
ストレッチを安全に、効果的に行うポイントは
・身体が十分に温まった状態で行う(お風呂あがり、運動後など)
・呼吸を大切に(とくに吐くときは、お腹の中からすべての息を吐ききるように)
一息ごとに、ストレッチの深まりを感じながら
・心地よいところ(伸びている感覚やイタキモのところでとどまる)
・20秒~30秒以内(ストレッチをして20秒後くらいに身体のセンサーが反応し、ゆるみはじめますが、30秒以上はオーバーストレッチングになる可能性もあるので30秒くらい、と覚えておきましょう)
ストレッチは身体をリラックスさせ、温め、血行を良くし、柔軟にすることが目的です。
ストレッチを習慣化すると、肩こりや腰痛など日常の痛みを緩和したり、
動きやすく怪我をしにくい身体になります。
我慢したり、頑張り過ぎず、心地よさを感じながら行いましょう。