「もしかしたら自律神経失調症かも」と思ったことはありませんか?
自律神経失調症とは自律神経が乱れることによって生じる身体の不調です。
主な症状は眩暈、不眠、疲労感、倦怠感、胃腸系の不調、頭痛、肩こり、
頚こり、背中こり、などなど。
その症状は多岐にわたっています。
毎日を多忙に過ごしている現代人は特に緊張状態が続く交感神経過活動タイプの
自律神経の不調を感じる方が多いと思います。
今回は私自身の経験から自律神経の不調を感じたら試してみて欲しいことをお話します。
自律神経の特徴
自律神経は生きていくために必要な生命活動(代謝、内臓の働き、血圧や体温調整など)を24時間、
休むことなく自動的に行っています。
1日の中で活動をするために緊張を高める交感神経と休息モードの副交感神経がシーソーのように入れ替わり、
身体活動機能を正常に保っています。
ここで大切なのは
自律神経は自分でコントロールすることができない(自動)
交感神経と副交感神経がシーソーのように入れ替わる
の2点です。
例えば100mを全力ダッシュすると、息が上がりはぁはぁと短い呼吸になり、汗が噴き出してきます。
通常、安静な状態では突然、このような状態になることは滅多にありません。
この呼吸が浅く短くなる、汗が噴き出す、も自律神経の働きです。
身体活動(ダッシュ)によって身体が受けたストレスを調整するために、呼吸を浅くして多く取り込む、
上昇した体内の熱を汗をかくことで放出し、冷ます、と言うことを自律神経が勝手にやっているのです。
仕事や家事に没頭して無意識状態の時でも、身体の機能が保たれているのは自律神経が働いているから。
何らかの原因でこの働きが乱れることで身体に様々な不調が生じるのが自律神経失調症です。
自律神経の不調を感じたらやってみて欲しいこと
自律神経の不調を感じたらやってみて欲しいのは
規則正しい生活を送ること
です。
自律神経は24時間、生命維持活動を行っている神経です。
朝、陽が昇れば体内は活動モードに切り替わり、陽が落ちれば休息モードに切り替わります。
自律神経が乱れている状態は、この切り替えスイッチが働いていないと言うことです。
本来、人間は夜になれば自然に眠りにつく生き物ですが、現代は夜になっても街は明るく、
夜遅くまで刺激を受けることが沢山あり、体内時計が狂いがちです。
自律神経は自分の意思ではコントロールすることが出来ません。
であれば、自律神経本来の働きに戻す、それが規則正しい生活をすることです。
自律神経失調症になった私の1週間
自律神経失調症になった当時の私のタイムスケジュールです。
平日 起床(5時半~6時半) ※早朝会議がある時は5時半
始業 10時~(早朝会議や早朝ミーティングがあったので、出勤は8時台)
昼食 13時頃 ※ランチが取れないことの方が多かった
退勤 19時 残業がある時は22時~23時頃、残業がない時はフィットネスクラブへ
帰宅 23時~24時 簡単な食事、入浴、持ち帰りの仕事の片付け
就寝 2時~2時半
休日 起床 目が覚めたら(仕事や予定がない日は昼頃までベッドの中)
ストレス解消のためにフィットネスクラブに通っていましたが当時は22時~23時台のスタジオレッスン
にも出ていました。
こんな生活を長年続けていた結果、故障しました(納得の結果)。
不規則な生活を規則正しい生活に変えたら
転職のため退社後、自律神経失調症の症状が酷くなり、そこから3年間の闘病生活を送ることになります。
体調は良くなってはダウンし、とアップダウンを繰り返していました。
まだ今ほど情報がなかった時代、少ない情報の中から自律神経に良い、と言われていることはほとんど試しました。
サプリメントやグッズ、ホットヨガ。。。本当にあらゆるもの。
ですが、なかなか安定しませんでした。
寛解から遡ること約1年。
この頃からやっと規則正しい生活を送るようになり、ヨガを始めました。
そこで呼吸の大切さや沢山の気づきを得て、徐々に体調が落ち着いていきました。
その時に感じたのは外側からのアプローチは対処療法に過ぎないと言うことです。
私が試したサプリメントやグッズ、ホットヨガなどなどは良いものだったのかもしれません。
しかしながら自分の意思でコントロールできない自律神経本来の働き(規則正しい)、
を考えると、乱れてしまった自律神経を本来の機能に戻すことが大切ではないかと感じています。
規則正しい生活にする上での注意事項
出来れば毎日(休日も)同じ時間帯に起き、同じ時間帯で就寝できれば良いと思います。
たまには遅く起きたり、遅くまで飲んだり、もありです。
ですがスペシャルDayは出来れば週1回程度にし、それ以外は規則正しい生活にしましょう。
そして結果を焦らないこと。
私もですが、日々接する多くの患者さん達も結果を焦りすぎる傾向があります。
当然ですよね。
一刻も早く、この身体の不調や痛みを何とかしたい!と切実ですから。
でも残念ながら、身体に変化が出るのは忘れた頃だったりもします。
新しく始めた「規則正しい生活」が「規則正しい生活をしている」と意識している状態から
当たり前になった頃です。
私自身の体感は3ヶ月くらいしてから「体調が良い」と感じるようになりました。
そこから1年後に寛解になりました。
個人差はありますが、身体に何らかの変化がでるまでには、
自分が思っているよりも時間はかかるかもしれません。
今はその理由がわかるのですが、療養していた時間以上に自律神経にダメージを与え続けていた
期間が長かったからです。
何年もかけてじわじわと身体を蝕んできた症状が、何かを飲んだから、とか何かをしたからと
3日で治ったら奇跡です。
1ヶ月試してみても変化がなかったとしても、もう少し頑張れば変化を感じる時がきます。
焦らずに取り組んでもらえたら嬉しいです。
今回は自律神経本来の働きである「規則正しい」にフォーカスしてお伝えしました。
自律神経の不調を引き起こす原因は様々ですが、自律神経を本来の働きに戻すこと、
これは何が原因で不調になったとしても自律神経の働きにとっては必要なことで基本です。
生活習慣を整えることが自律神経の機能の土台だと理解していただければ嬉しいです。