生きていれば突然の別れがくることもあります。
家族、友達、尊敬する人、大好きな人、愛するペットなど、突然失った悲しみは本人にしかわかりません。
今回は悲しみを乗り越える、自分を癒す方法について私自身の経験を交えて紹介します。
突然の別れ
仕事が終わって、何気なくスマホに目をやるとメッセンジャーの通知が目に留まりました。
瞑想講師養成講座(以降、瞑想TT)の同期のやり取り。
何が書いてあるのか、何のことか理解するのに数秒かかりました。
書かれてあることが信じられず、確認をするとコミュニティに師匠の訃報が投稿されていました。
一体、何の冗談なのだろう。
3日前に会った時はいつもと変わらず元気で、近い将来のことを熱く語っていたのに。
尊敬する師匠は、何の前触れもなくこの世を去ってしまったのです。
感情に蓋をする
師匠の訃報を知った当日、瞑想TTの同期が集まりオンラインミーティングをしました。
調度一年前に瞑想TTを修了し、その後、師匠とのかかわり方はそれぞれ。
私は中でも濃く関わっていたと自負しています。
私がこの仕事に就きたいと思った時に描いた姿そのままの師匠に人一倍憧れ、熱心に学んでいました。
また私を理解し、私の本質を引き出してくれた師匠を心から信頼していました。
大きな存在を失った悲しみの中、同期が前に進もうとしている姿を見て、
私自身も悲しみに蓋をして、前に進みました。
しかしながら、ある時プツンと何かが途切れてしまいました。
詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
感情に蓋をしてしまうと、感情が抑圧され、哀しみ以外の感情を感じる力も鈍くなってしまうのです。
悲しみの5段階
ドイツの精神科医キューブラー・ロスが確立した悲しみに対面した時の精神の変化です。
否認 (悲しみの事実を)否認、受け入れたくない、拒否反応です
怒り 「なんで自分だけ」「どうしてこんなことが」と悲しみの事実に対して怒りが湧いてきます
取引 この(悲しみの)事実から逃れたい、神様やスピリチュアルなことに縋ったりします
抑うつ この(悲しみの)現実からは逃れられないと抑うつ状態になります
受容 (悲しみを)感じながらも受け入れ、次第に日常生活に戻っていきます
こちらのプロセスは死を宣告された患者に対しての研究結果に基づいたものですが、
自分自身が振り返っても、このようなプロセスを通ってきたと感じています。
自分自身が受け入れがたい悲しみに直面した時、または大切な人が直面している時に、
今、どの段階にいるか、知っておくと、その感情や行動が何かがわかりやすく、
対処しやすいです。
受け入れがたい悲しみを癒すステップ
自分の感情に気付く
今、自分が感じている感情が何か、意識を向けます。
悲しみなのか、寂しさなのか、怒りなのか・・・
まずは自分の中にある様々な感情に気付きましょう。
ノートに書きだしても良いです。
感情を味わう
今、自分の心に沸いている感情に気付いたら、それをしっかりと味わいましょう。
ただ哀しい、寂しい、辛い、泣きたい
1つ1つの感情に向き合い、その感情を受け止めます。
哀しさの胸が締め付けられるような感覚
涙が勝手に溢れてくる
一つ一つの感覚を丁寧に感じます
自分に声をかけてあげる
自分の中の様々な感情に気付いたら、自分に声をかけてあげましょう。
「もう会えないなんて辛いよね」
「悲しくて当然だよ。今は仕方ないよ。思いっきり泣こう」
と、大切な友達にするように、自分自身に声をかけてあげましょう。
これを繰り返します。
繰り返すうちに少しずつ受け入れることが出来るようになってきます。
私自身も悲しみに蓋をしていたことに気付き、溢れ出てくる悲しみの感情に向き合うことができてから、
少しずつ心が軽くなってきました。
そして気力があれば、出来るだけ好きなことをしてみましょう。
お気に入りのカフェでぼーっとする、でも良いですし、
お気に入りの街をただ散歩する、
お気に入りのショップをウィンドウショッピングする
愛犬や愛猫とじゃれる
家族の喜ぶ料理を作る
大好きな友達とたわいもないおしゃべりをする
キャベツの千切りをする
何でも良いです。
自分がやっていて気持ちが良いこと、嬉しくなること、没頭してしまうこと、
だけど労力がかかり過ぎないことをやってみましょう。
受け入れがたい悲しみに直面した直後は、その事実を受け入れるために
感情に気付き、味わい、その感情を持つ自分を許可する
ことも大切なプロセスです。
しかしながら、人は同じことを繰り返し考え続けると、脳内でその思考が強化されます。
ある段階、何か行動ができそうな気力が湧いてきたら、
日常生活に戻れるように少しずつリハビリをしましょう。
無理をすることはないです。
無理をすることは却ってその感情を強固にしてしまいます。
どんなことでも時間が解決してくれます。
ですが、どうしても悲しみから立ち直れない、何か月経っても日常生活に支障が出るような状態であれば、
専門の医療機関やカウンセラーに相談しましょう。
自己判断は良くない状態を長引かせることもあります。
この記事があなたのお役に立てたら嬉しいです。