人は誰しも不安を感じます。
将来のこと、健康のこと、家族のこと、お金のことなどなど。
自分の人生に関わることの多くが不安要素となりえます。
適度に不安を感じることは生きていく上で必要なことです。
例えば横断歩道を渡る時に、無意識に左右を確認し車が来ないことを確信してから渡ります。
「車が来たらどうしよう。車が来たら怪我をするかもしれない」
と言う予期不安が根底にあるからこその行動です。
(多くの人が子供の頃に教えられ、習慣化し、無意識に行っていることではあります)
もし、この予期不安がなければ、何も考えずに横断歩道を渡り事故にあうかもしれません。
私達が安全に生きていく上で、不安は大切な要素の一つなのです。
問題なのは、その不安が大きくなりすぎ、不安に生活を乗っ取られてしまうこと。
ずっと同じことを考えていたり、何もできなくなってしまったり、
自分を信用できなくなってしまったり、このようなケースは不安に人生をハイジャックされています。
そもそも不安とは何でしょうか。
インターネット辞書のコトバンクからの抜粋です。
不安は,日常生活の中で,漠然とした特定できない曖昧な脅威を察知したときに,
自我の危機としてだれもが経験する心的反応であり,不確定性と無力感を伴う心理的状態である。
しかし,不安ということばによって表現される意味と内容,程度,現われ方は多様である。
この「漠然と特定できない曖昧な脅威」それこそが不安の正体なのです。
主に未来についての漠然とした曖昧な何かに対して不安を感じます。
実際にそれが起きたわけではなく、起こると確約されたものでもないのにもかかわらず、
「~したらどうしよう」
「~かもしれない」
と、漠然とした状況の中で妄想が広がります。
そう、何も確実になっていない状態なのです。
いわば幽霊のように実態のないものに対して、時に私達はとらわれ、惑わされ、
人生をハイジャックされてしまうのです。
この記事を読んでいるあなたが、仮に将来の財産のことについて不安になっているとします。
自分が還暦を迎える頃に貯金はいくらあるだろうか。
十分に暮らしていけるのか。
仕事は続けていられるのか。
リストラで職を失っているかもしれない。
再就職はできるのか。
再就職できなければアルバイトをするしかない。
還暦近いけど雇ってもらえるのか。
そもそも健康で働ける状態なのか。
もしかしたら健康診断で重篤な病気がみつかるかもしれない。
その時の治療費や手術費、入院費はいくらくらいかかるのだろう。
保険はすぐにおりるのだろうか。。。
と、不安は永遠に続き、暴走します。
ちょっと将来の財産を不安に思っただけでも、次から次へと良からぬことが頭に浮かび、
その都度、胸がしめつけられそうになります。
すると次からは将来の財産だけではなく、仕事のこと、健康のことと不安の根が広がっていくのです。
しかし、これらは全て自分が作った妄想です。
何一つ確実ではなく、何一つ現実になっていません。
そこで不安の根を広げない方法をご紹介します。
もし、あなたが何か不安にとらわれてしまったら、まずはそのことに気づいて下さい。
「あっ、今、〇〇のことで不安になっている」
と気づきます。
そして「〇〇って不安になっているけど、それって勝手に思っているだけだよね」
と括って下さい。
私達の脳は暴走することが大得意です。
特にネガティブな状態の時は勝手に暴走しがちです。
それを一旦止めなければ、ぐるぐるぐるぐると考え続けてしまいます。
ですので、気づいたら「それって勝手に思っているだけだよね」
とか「でも、現実に起きてないよね」と一旦、強制終了をさせます。
殆どの場合はそれで落ち着きますが、繰り返し出てきたら、落ち着くまで都度、強制終了をかけます。
不安などのネガティブな状況の時の脳の暴走はほぼ無意識に行われています。
不安にとらわれている時、気が付いたら「こんなに時間が経っていた」と言うことはありませんか?
放っておくとどんどん暴走し、どんどん不安が増幅します。
まずはそのことに気づく、気づいたら一旦、終わらせる
をやってみて下さい。
そして何よりも不安は自分自身が勝手に作り出していることがわかると少しずつ気持ちが軽くなってきますよ。