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女性の美を仕事にするためイメージコンサルタントの資格を取得。

ホテルや結婚相談所などでのべ500名の魅力を引き出すパーソナルカラー診断や立居振舞の指導を行う。

身体も心も美しく変わるフィットネスに魅了されパーソナルトレーナーに転向。
のべ20000名のセッションを行う。

金木犀と中国茶と蚊に刺され

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「今度の土曜日、麻布十番に行こうよ」
なんの脈略もなく唐突に友に誘われた。
麻布十番に美味しい中国茶の店を見つけたらしい。


「飲んで欲しいお茶があるの。
絶対に気に入るから」
自信満々だ。
そういうわけで、秋晴れの土曜日に私は麻布十番にいた。


メイン通りの奥の方に雰囲気のある入り口が見えた。
中国茶と聞いてイメージする通りの
ザ・中国茶専門店な入口。
店内はさらにアジアンチックで落ち着いている。


私は中国茶には詳しくない。
知っているのはウーロン茶にプーアル茶くらい。
中国茶の飲み方の順序とかマナーはチンプンカンプン。
なので、中国茶にはまっている友に全てを任せた。



友が私にどうしても飲ませたいと言っていたのは
桂花烏龍茶。
ウーロン茶を金木犀で香りづけしたお茶。
私が金木犀の香が好きなことを覚えてくれていたのだ。

小さなカップに注がれる桂花烏龍茶。
口に含むと甘い香りがふわっと口中に広がり、
喉を通り過ぎると、鼻先からその香りが抜けていく。
まだ温かいカップを手に持ったまま、思わず
「ふぁ」
とため息なのか、よくわからない声が出た。




金木犀の香が全身に沁みわたり、
カラダの芯からほぐれていく感じ。
その心地よさが「ふぁ」だった。


それから桂花烏龍茶にはまってしまった。
ネットで見つけると取り寄せて試してみたが、
あの日、口にした「ふぁ」が出るような美味しい体験ができないでいた。


「お店でのむのと違うからなぁ」
自分で急須で蒸らしても、あの味や感覚にはならない。
いつでもあの感覚、幸せ感を感じたいのに・・・


そこで、ふと自分で理想の桂花烏龍茶を作ってはどうだろうかと思いついてしまった。
大好きな金木犀をたっぷりと混ぜた烏龍茶。
想像するだけで、ほおが緩む。


調べると桂花烏龍茶が自作できることがわかった。
市販の烏龍茶に金木犀の花を混ぜるだけ。
それなら私にもできそう!

桂花烏龍茶の自作を思い立ってから、秋が来るのを心待ちにした。


そして、待ちに待ったある日。
我が家の庭の金木犀がほのかに香りはじめ、秋の訪れを告げた。
はやる気持ちを抑え、満開になるのを待つ。


まだ残暑の暑さを感じる中、蚊に刺されぬよう手足を完全防御し、万全の体制で金木犀摘みに挑んだ。
今日、開きました
と言わんばかりの生命力あふれる金木犀を見つけて、1つ1つ丁寧に摘んでいった。

お金を出せば、そこそこ満足できるものが買えるのに、
わざわざ自分で作る。
それも自分のために。
金木犀が満開になるのを待って、
額に汗をかきながら、1つずつ丁寧に摘む。

雑誌で見て憧れていた
丁寧な暮らしをしている人
に近づいたようで、ちょっと嬉しい。

ちなみに、私はとてもずぼらで面倒くさがり屋だ。
いつもの自分と正反対のことをしている自分。
なんかいい。



上機嫌で金木犀を摘み続ける。
脇に抱えた竹籠がいっぱいになるまで金木犀摘みを楽しんだ。


問題が起きたのはここから。


金木犀で満たされた竹籠を持って屋内に戻ったとたん、猛烈な痒みに襲われた。
とにかく痒い!
顔中が痒い!

顔中を十数か所も蚊に刺されたのだ。
手足は服でガードしていたものの、
首や顔はガードしていなかった。
金木犀摘みに夢中になっていたので、蚊に刺されていることに気づかず、顔が腫れるほど蚊に刺されてしまった。


蚊ってなんで変なところを刺すんだろう。
瞼とか、鼻の真ん中とか。
どうやっても目立つし、顔のパーツが変形する。
もう少し、気をつかってくれてもいいのに・・・
蚊に文句を言いたいが、なにをどう思おうと後の祭りである。


そして、悲劇はそこで終わりではない。
摘んだ金木犀は、乾燥させるために天日干しをする。
風通しのよい場所を選んで、竹製のザルの上に並べて天日干しをしていた。


が、部屋の中が変な匂いがするのだ。
匂いをたどると、天日干し中の金木犀にたどりつく。
そして、がっくりと肩を落とす。
あんなに苦労して?摘んだ金木犀が茶色く変色し腐りかけていた。


天日干しって、ただ風通しの良いところに置いておくだけではダメなのね。
きっと何かコツがあったのだろう。
自分のズボラさを呪った。


金木犀が香たびに、当時のことを思い出す。
私にとって苦い想い出になったが、
それでも金木犀の香が好きだ。



そして初めて桂花烏龍茶を飲んだあの日以来、あんなに美味しいお茶を飲んだことはない。
店の雰囲気やお茶の質、なにより金木犀が好きな私を驚かせ、喜ばせたいと思いながら煎れてくれた友達の心だったと時を経て気づかされた。

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