変わりたいけど変われないのジレンマ

「今の自分を変えたいと思っているのに、何もしないままずるずる時間だけが過ぎている」
「思い切って新しいことを始めたのに、いつの間にか続かなくなっていた」
そんな経験はありませんか?
このような悩みを抱えているのはあなただけではありません。
今回は何故、なかなか変わることができないのか、変わるためにはどうすれば良いのかについてお話します。

変われないのが当たり前

「変わりたいのに変われない」
「新しいことを始めたいのに動けない」
このようなお悩みは良く聞きます。
そして年を取れば取るほど、新しいことをするのが億劫にもなります。
若いころはもっと身軽で、興味があることにチャレンジできていたのに、
いつの間にか「まっ、いっか」と先送りしたり
「いつかね」と、頭の片隅にポンと放ったままにしてしまいます。
有名な統計で、何かを思い立って行動する人は20~25%と言われています。
約70%の人が何かを思い立っても行動しないのです。
そして行動を継続できる人が5%。
せっかく行動に移しても何らかの理由で断念、95%の人が変われないままなのです。

変われないのは人間の本能

上記の「変われない人が95%」と言う数字を見て、どのように感じましたか?
「私だけじゃない」とホッとした、または「変わるのって大変なこと」と思ったかもしれません。
何故、変わることが難しいのか。
人は誰にでもコンフォートゾーンがあります。
コンフォートゾーンとは快適で居心地が良い、安全な場所です。
何か新しいことをしたい、と思っても何もしない現状こそが、今のあなたにとっての安全地帯なのです。
何もしなければ失敗することもなく、嫌な思いをしたり、傷ついたりすることがありません。
代り映えのない毎日かもしれないけど、あなたの生存を脅かすようなことは起こらず、安心して生きていられます。
これこそがコンフォートゾーンなのです。
そして人にはホメオスタシス(生体恒常性)が備わっています。
外的環境が変化しても、身体の状態を一定に保とうとする仕組みのことです。
例えば真夏、外気が暑ければ汗をかいて体温を下げ、安定した状態を保とうとします。
これがホメオスタシスの働きです。

ホメオスタシスは生物学の用語で自律神経、免疫系、内分泌系が関わっていますが、心理学的にも使われることがあります。
心理学的観点でのホメオスタシスは「安心・安全な生活を維持しよう」とすることです。
まさにコンフォートゾーンを維持することなのです。
変わり映えのしない毎日かもしれないけれど、取りあえず楽しいこともあるし、仕事をしていればお給料も入ってくる。
これがあなたにとってのコンフォートゾーンであり、ホメオスタシスはこれを維持しようと働きます。
変わる鍵になるのはコンフォートゾーンとホメオスタシスなのです。

逆説、変われないのは本当に変わりたいと思っていないのかも?

あなたが今までの人生の中で、何かにチャレンジをしたときのことを思い出してみて下さい。
何かがあって転職を決意し、希望の会社に入社した
憧れの資格を取得した
などなど、思い切って何かをした時、どのような状況でしたか?
かつて私は転職魔と呼ばれていました。
2~3年勤務し、職務を全うすると次の会社に移ることが当たり前と思っていました。
ですので、転職をすることは特別なことではありませんでした。
そんな私が死に物狂いになったのは、パーソナルトレーナーに転職する時でした。
今まで会社から会社に移っていただけでしたが、パーソナルトレーナーは全くの未経験、未知の世界。
私は理系が本当に苦手でしたが、パーソナルトレーナーの勉強は理系であることを知ったのは、
パーソナルトレーナーになるために退社した後のことでした。
もう苦手とかわからないとか、できないとか言ってられない。
苦手でもわからなくても、できなくても、受け付けなくてもやらなければトレーナーになれないし、
生活していくことができず崖っぷち、人生の危機でした。
おまけに自律神経失調症を発症してふらふらで追い込まれ、ベッドの中で必死で勉強しました。
大げさに言うと生存の危機ですよね(食べていく糧がない)。
既に退路を断っていたので、やる以外に道はなかったのです。
前職に就いたまま試験を受けることもできましたが、甘えそうな気がして退社を選択しました。
前職はまさにコンフォートゾーン。
大好きなブランドで大好きな仕事に就き、安定していました。
でもそれ以上にパーソナルトレーナーになりたい気持ちが勝り、退路を断ったのです。
コンフォートゾーンから出るには強い動機付けが必要です。
現状、何も変わらなかったとしても、何も困ることはありません。
自分自身がずっとモヤモヤしているだけです。
それをはねのける動機付けがないと、例え行動しようと一歩を踏み出しても簡単にコンフォートゾーンに戻ってしまいます。

最悪の結果を考えてみる

そこでお勧めなのが
「最悪の結果を考えてみる」
です。
変わりたい、何かをしたいと思っているのに何もしなかったら、最悪、どんな状況になっているか
例えば40代の私が会社員からフリーランスのパーソナルトレーナー(不安定要素しかない)に転職する時、
パーソナルトレーナーになりたい、と思ってから5年くらい保留にされていました。
何回か会社には意向は伝えていましたが、大きなプロジェクトを抱えていたのでそのまま。
前職の仕事も楽しかったのでパーソナルトレーナーになるのは「いつか、そのうち」と思っていました。
ある時、突然、同年代の友人が他界しました。
本当に突然でした。
その頃から自分の将来を再び考えるようになったところに、311(東日本大震災)です。
大災害を目の当たりにし、もしかしたら「いつかは来ないかもしれない」と思ったのです。
私がこの世を去る瞬間に「パーソナルトレーナー、やってみたかったなぁ」って後悔するのだけは嫌だと強く思いました。
例え、退社した翌日に死んだとしても、パーソナルトレーナーになるための行動を起こさないことよりはまし。
私にとっての最悪な結果は死ぬときに(パーソナルトレーナーにならなかったことを)後悔する、でした。

もう一つ、簡単な例を挙げます。
クライアントの例です。
椎脊柱管狭窄症(加齢により発症するメジャーな腰の疾患です)が原因で上手く歩けなくなり、杖をついていました。
そのクライアントはゴルフが大好きですが、長時間歩くことができません。
このままだと二度とゴルフが出来なくなる(最悪の結果)と思い、症状を改善するためにパーソナルトレーニングを始めました。
現在は杖なしですたすた歩き、大好きなゴルフ三昧です。

なかなかコンフォートゾーンから出られなくても
「こんな未来は嫌」と思えば、行動せざるを得なくなりますよね。

行動を続けるコツ

せっかる行動に移しても断念してしまうケースが圧倒的に多いです。
フィットネスクラブは春になると新規入会者がぐんと増えますが、平均すると3ヶ月くらいで退会する、もしくは足を運ばなくなる(幽霊会員)と言われています。
入会当初は張り切って、ほぼ毎日、ジムに通いますが、段々と足が遠のき・・・
もしかしたらドキっとした方もいるかもしれません。
これはホメオスタシスが働いているから。
今まで、何もしていなかったのにジム通いが急激に増えたことに抵抗し、元のコンフォートゾーン(何もしていなかったころ)に引き戻そうとするのです。
そして多くの人はホメオスタシスに負けてしまいます。
生物の生存本能に直結しているホメオスタシスの作用は強力なのです。
そこで、お勧めしたいのが
ジワジワ作戦
ジワジワとコンフォートゾーンを広げ、ホメオスタシスを作動させなくする作戦です。
いきなりコンフォートゾーンを飛び出すようなことをすると、ホメオスタシスが働きます。
例えば、いきなりジムに通い詰めるのではなく、1日5分程度、歩く距離を延ばしてみる。
5分に慣れたら10分、10分に慣れたら15分。
歩行距離を延ばすことに慣れてきたら、週末に30分と、歩くことが当たり前の状態を作っていきます。
歩くことが当たり前になると、身体を動かすこと(運動)が当たり前になってきます。
そこで週1回、30分程度ジムに通ってみる。
少しずつ当たり前を増やしていきます。
この当たり前を増やすことはコンフォートゾーンを広げることになり、新しく特別なことではないためホメオスタシスも作用しにくいです。

第三者にサポートしてもらう

パーソナルトレーニングやコーチングなど、あなたがやりたいと思ってくれることをサポートしてくれるプロに依頼することも有効です。
私のクライアントの殆どが自分がサボる、続かなくなる、ことを知っています。
定期的なパーソナルトレーニングやマインドフルネスセッションで気持ちが引き締まり
「やろう」と意欲も高くなります。
第三者の目、それがプロであればごまかせないので、やらざるを得ないですよね。

まとめ
人が変われないのは当たり前
それでも変わりたいのであれば、最悪の結果を想像してみる
行動する時は少しずつ、当たり前のレベルを広げていく
不安な時はサポートしてくれるプロに依頼する

この記事が変わりたいけど変われないと悩むあなたの役に立てたら嬉しいです。






Copyright © 2018 Minako Asami.

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