大人バレエで怪我をする?

どんなスポーツでも怪我はつきものですが、バレエも例外ではありません。
以前、プロのバレリーナで深刻な怪我が原因で休職せざるを得なくなった方が相談にみえたことがあります。
その方は子供の頃からずっとバレエを習っていたそうですが、20歳頃から痛みが深刻になり、
激痛に耐えながらバレエをしていたそうです。
幼い頃からバレエをしていた人でも大怪我をすることもあります。
バレエをする身体でない大人が安全にバレエを行うためのポイントについて
パーソナルトレーナーである私がお話します。

バレエは怪我をしやすい?

バレエと言うとつま先立ちで脚を大きく振り上げたり、身体をぐんと反らせたり
美しいけど「大変そう」「身体を痛めそう」と言うイメージを持っている人もいるのではないでしょうか。
実際に私も友達に
「怪我しそう。無理しないでね」
と言われたことがありますし、
私がバレエを始めたきっかけも、バレエで怪我したクライアントが数人いたからです。
他のスポーツやダンスと比較して、特殊な身体の使い方をするバレエ。
当時は私自身も
「身体に悪そう」
と言うイメージを持っていたので、どんな動きをしているのか、知りたくて始めたことがきっかけでした。
実際にバレエをやってみて感じたのは
バレエが特別ではない
と言うことです。
冒頭にも記しましたが、どんなスポーツでも、例えストレッチであっても
身体を使って行うことには怪我をするリスクがつきものだと言うことです。

バレエで怪我をしやすいところ
バレエで主に怪我をしやすいところについて説明をします。
・足首
・膝
・股関節
・腰

バレエは優雅なイメージに反してジャンプしたり、片脚で回ったりとハードですので、
上記以外にも怪我をする可能性はありますが、主に上記に挙げたところが怪我をしやすい場所です。
上から順に説明をします。

・足首 両足、片足でつま先立ちになるため、足首の柔軟性や筋力がなかったり、体幹がしっかりしていないと
体重を支えきれず捻挫をしやすい。
・膝 膝を曲げて行うプリエがバレエの基本だが、アンディオール
(股関節を外に開くこと ※専門用語で外旋と言います)
ができていないと、膝が内側に入りやすく負荷がかかる。
・股関節 バレエの基本はアンディオール(股関節外旋)だが、
股関節の柔軟性が不十分だと無理に開こうとして靭帯などを伸ばしてしまったり、
反対に股関節がゆるすぎると脚から来る衝撃や上半身を支えにくくなるため痛めやすい。
また、股関節の筋群を過剰に酷使した結果、股関節に痛みを発する場合もある。
・腰 骨盤を立てて背筋を伸ばす姿勢がバレエの基本だが、元々、腰や背中、
お腹の筋肉が弱く支えきれず反ってしまったり、背筋を使って脚を挙げる(アラベスクなど)
ところを腰を反らせてしまって痛める

ざっくりとですが、怪我をしやすいところの主な原因です。
バレエの動作が怪我を誘発するのではなく、バレエをするための柔軟性や(基礎)筋力がないままに行うことで
怪我をしやすくなります。

大人がバレエで怪我をしないために
大人がバレエで怪我をしないためのポイントです。

バーレッスンは丁寧に、じっくりと行う
バレエのレッスンで行うバーレッスンは、これからバレエを行うための準備体操です。
地味なバーレッスンが苦手な人もいると思いますが、バーレッスンは
これから行う動作を安全にスムーズにするためのもの。
1つ1つの動作に意識を向けて、硬いところがないか、動きやすさはどうか、
違和感や痛みはないか、点検するように行いましょう。
毎日プリエを行っていても、日によって深く行える日もあれば、
その半分くらいで股関節に違和感を感じる日もあります。
人の身体は日々、状態が異なります。
じっくりと自分の身体と向き合いながら、十分に身体を温めましょう。

ストレッチを行う
レッスン前、レッスン後にストレッチを習慣化しましょう。
レッスン中でもバーレッスンやストレッチは行いますが、レッスンによっては十分でない場合もあります。
少し早目にスタジオに入り足の指、足裏、ふくらはぎや股関節を優しく伸ばしながら温めましょう。
硬く感じるところはマッサージをすると、レッスン中に怪我をするリスクを減らすことができます。
またレッスン後も使ったところをストレッチし、疲労回復を促しましょう。

身体のことがわかっている指導者に習う
バレエの指導者の指導スキルは様々です。
バレエは大まかなレッスンの流れはありますが、
バーレッスンがあまり好きではない指導者はバーレッスンを重視しなかったり、
「大人の趣味」に特化しているレッスンも、基礎レッスンよりは「バレエらしさ」を感じさせる
ジャンプやピルエット(回転)をメインにやるレッスンもあります。
まだ身体が温まっていなかったり、十分にほぐれていないまま
複雑な動きを行うと怪我をするリスクがあります。
また優れた指導者であれば、個々の身体の癖や特徴を見抜き、それに合った指導をしてくれます。
例えば私は脚の骨の付き方に特徴があるらしく(外国人に多いらしいです)、
5番でぴったりと腿をつけようとすると
変な力が入ってしまうので、バレエのルールからは逸れますが
重なっている足の間を少しだけあけると無駄な力みが入らず
見た目もキレイになるのであけています(本来、5番のポジションは足と足がピタッと重なります)。
私の脚の形で足と足をピタッとつけると膝を痛めるリスクがあるそうです。
優れた指導者はこのように個人の身体の個性に合わせて、安全かつ美しくバレエが行えるよう指導をしてくれます。
どのスポーツ、どのトレーニングでも同じですが、ちょっとした角度、1㎝のズレで身体の感覚が変わってきます。
この微細な修正ができるかどうかが優れた指導者であるポイントではないかと思っています。
例えばバレエで重要な股関節の柔軟性を例に挙げると、生まれつき股関節が硬い人もいれば、
股関節がはまりにくい(ズレやすい)人もいます。
それなのに画一的な指導で「もっとアンディオールを(股関節を開いて)」と言ってしまうと
どちらのタイプも怪我をするリスクが高くなります。
年齢が高いから優れた指導者と言う訳でもなく、
その指導者がどのようにバレエや自分の身体と向き合ってきたのか、
ではないかと思います。
そしてまたその指導者が優れた指導者に指導を受けてきている、と言うことも大切なポイントです。
例えば、今、私が教わっている先生はまだ若いけれども、
とても身体の使い方に詳しくきめ細やかな指導をします。
お話を聞いていると、先生が幼い頃から指導を受けてきたノウハウが蓄積されているのが伝わってきます。
反対にクライアントのプロバレリーナの方は指導者に「私を見て覚えて」と言われて育ったらしく、
先生を見ながらがむしゃらに頑張ってきたそうです。
身体の使い方(どこがどうしてどうなっている)はわからず、見様見真似で今まできたと言っていました。
指導者によってカラーが異なりますが、初心者はできればきめ細やかな指導をする指導者が良いと思います。

バレエ以外の基礎トレーニングを行う
体力が落ちている、筋力がないと実感していたら、バレエ以外の基礎トレーニングをお勧めします。
基本的には何でも良いですが、大人の趣味としてのバレエを上達させたい場合は、
トレーニング内容を選んだ方が無難でしょう。
トレーニングよってはバレエではあまり見せたくない部分
(例えば太ももを太くしてしまったり、横に張り出した太腿になったり)を強調してしまう場合もあります。
バレエと相性が良いのはピラティスです。
Youtubeでも沢山のピラティス動画が出てきますが「ちょっと地味かな」くらいのピラティスがお勧めです。
ピラティスは元々は普段、意識をしにくいインナーマッスルを活性化しながら、
全身の動きを繋げていくワークです。
そのためレッスン中は呼吸や身体の細部に意識を向けるので、一見するととても地味です。
でも、その地味な動きが確実に効きます!
が、フィットネスクラブや動画配信サービスのピラティスの中には本来のピラティスとはちょっと違うのかな、
と思われるものもあります(それはそれで良いとは思います)。
バレエは全身に意識を行きわたらせ、時には自分自身の身体と向き合います。
バレエを安全に行う、上達させる目的なら、単にエクササイズではなく、
全身に意識を行きわたらせ、身体の使い方を習得できる本来のピラティスがお勧めです。
またピラティスから派生し、バレリーナが開発したジャイロキネシスもお勧めです。
が、ジャイロができる場所が限られているのが難点です。
Youtubeでも動画を見ることはできますが、殆どが海外のものです。
日本でもオンラインレッスンを行っているスタジオもありますので、ご興味があれば検索してみて下さいね。

まとめ
バレエは怪我をするの答えですが、バレエが特別に怪我をしやすい訳ではない、です。
バレエで怪我をする多くのケースが、バレエを行うための柔軟性や筋力の不足、
無理な身体の使い方をした結果、身体を痛めます。
安全にバレエを行うためには、日頃から基礎レッスン(バーレッスン)を丁寧に、
またストレッチやマッサージで身体をケアしましょう。
筋力や身体の使い方に不安があれば、バレエ以外の基礎トレーニングもしましょう。

あなたがいつでも安全にバレエをし、あなたの大人バレエライフが充実したものになりますように。



Copyright © 2018 Minako Asami.

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